卒業

大学生活に幕を閉じた。

思えばたった一人で上京したのはつい4年前で、それは現在から完全に切り離された過去のように感じる。

先は長いが 終わりは早い

秋田ひろむはいつも正しい。

当時は渋谷までの行き方さえさっぱりだったのに、今では大荷物を引きずりながらも楽勝で出国手続きできるようにまでなった。

お酒はまだたまに失敗しちゃうけど、見違えるほどに成長したものだ。

 

いまになって振り返ると、この4年間は、自分にとっての大きなターニングポイントであり、自身を私と定義する時間だった。

たくさんの人と出会い、別れ、楽しみ、苦悩したことの数々で、いまの私はできている。

 

「この日々は、宇宙空間のとある恒星みたいだな」

と友人と話した。

莫大な密度で、強力な引力を帯びたおれたちの天体は、不器用に、無闇矢鱈に燃えさかり、そしてついには爆ぜたのだ。

これからの将来、この4年を思い返したとこで、どこを周り、どのように廻り、どのように燃えていったかの記憶は、どんどん風化していくかもしれない。

それでもハッブル望遠鏡を覗くと、宝石のような銀河がいつでも頭上に散りばめられているのと同じように、その輝きと美しさは、いつになっても心に投影される。

超新星爆発をおこして、美しい光とともに散り散りとなった青春の日々は、何光年離れた未来でも、決して失われない。

と、いいな。

一番眩しい恒星ほど 燃え尽きるのも早いんだ

やっぱり秋田ひろむはすごいや。